山下俊輔による侮辱罪告訴（不起訴）に対する抗議声明
2023/09/25 かわにしようじ
私 かわにしようじ は、2023年1月に当時愛知県知事選候補者であった山下俊輔より侮辱罪による告訴を受け、愛知県警および名古屋地方検察庁による取調べを受けた結果、同年7月7日付けで不起訴処分となりました。
本件は、公職に立候補して選挙活動を行なう者に対する、憲法上とりわけ厚く保障されている市民の表現の自由の行使である正当な抗議行動を不当に抑圧・妨害するものです。その問題の公共性の高さより、ここで広く共有いたします。
本件は、かわにしが名古屋大須の路上で行われていた山下俊輔の選挙演説に出向き、肉声にて周囲の通行人および演説の聴衆に向けて、
「こちらで街宣をしている山下俊輔は、レイシストです。」
「こちらで街宣をしている山下俊輔は、差別主義者です。」
と周知活動を行なったことに対し、山下俊輔がかわにしを侮辱罪で告訴したものです。(注1：出来事の時系列参照)
かわにしは、「山下俊輔は、レイシストです。」「山下俊輔は、差別主義者です。」との内容の表現行為を、根拠となる事例を紹介しつつ行ないました(注2)。山下俊輔のこうした過去の言動や、知事選立候補の公約の随所に排外主義がにじみ出ていたことなど(注3)に基づいて、山下俊輔は投票すべきではない立候補者であると周知することが表現行為の目的でした。本件における山下俊輔に対するかわにしの表現行為は、政治家（および選挙候補者）に対する公正な論評であり、刑法35条に定められた正当行為に当たります(注4)。
さらに、本件が発生した大須は、外国人や、山下俊輔が攻撃対象とするマイノリティも多く行きかう街です。このような場所において(注5)、レイシスト／差別主義者が選挙演説中と注意喚起することは、「ヘイトスピーチ解消法」(注6)および「愛知県人権尊重の社会づくり条例」(注7)の趣旨に則します。
これらより、山下俊輔は、公職立候補者に対する市民の表現の自由の正当な行使を妨げる目的で侮辱罪を濫用し告訴を行なったといわざるを得ず、決して許されるべきではありません。山下俊輔による告訴に対し、強く抗議します。
・2023/01/21(土) 大須コメ兵名古屋本店本館前、および、
2023/01/22(日) 大須今井総本家前にて、
愛知県知事選候補者山下俊輔の選挙街頭演説中に、かわにしが通行人および聴衆に向け肉声で周知活動実施
・2023/01/27(金) 朝09:00に愛知県警より2名がかわにし自宅に来訪、山下俊輔より侮辱罪の告訴があり任意での取調べを求められる（愛知県警での取調べは5月まで計3回実施）
・2023/06 名古屋地方検察庁での取調べ実施
・2023/07/07(金) 付 不起訴処分
①「こちらで街宣をしている山下俊輔は、レイシストです。」
②「こちらで街宣をしている山下俊輔は、差別主義者です。」
上記①、②を、山下俊輔の選挙演説中に、肉声にて周囲の通行人および演説の聴衆に向けて周知した。また①、②に対する根拠として、以下A.B.C.の発言を行なった。
A.「山下俊輔はヘイトデモの打ち上げで寄った居酒屋で、中国人従業員に集団で嫌がらせをした人物です。」
B.「山下俊輔は韓国雑貨店でわざわざ日の丸を掲げる嫌がらせをした人物です。」
C.「街宣中に抗議をしてきた外国人を追い掛け回すような人物です。」
■上記A.B.C.の根拠
A.「山下俊輔はヘイトデモの打ち上げで寄った居酒屋で、中国人従業員に集団で嫌がらせをした人物です。」
2009/09/21付け、山下俊輔本人のブログアーカイブ
http://web.archive.org/web/20111020131445/http://hirihoukenten.iza.ne.jp/blog/entry/1233913
B.「山下俊輔は韓国雑貨店でわざわざ日の丸を掲げる嫌がらせをした人物です。」
中日新聞2013.9.2朝刊（画像赤枠部分）
https://drive.google.com/file/d/12wBnFonKqdJ1_Gg-1NwhAyrdfu9G_6xC/view?usp=sharing
C.「街宣中に抗議をしてきた外国人を追い掛け回すような人物です。」
(1) 20150222 大須 在特会（02:30～ 頭出し済）
https://www.youtube.com/watch?v=4j8ANA-uv0w&t=148s
(2) 上記別動画（06:30～）
https://www.nicovideo.jp/watch/sm25641347
(3) 上記とは別日、2022/02/13 栄にて抗議の外国人を追いかける山下俊輔（YouTube山下俊輔本人チャンネル）
https://www.youtube.com/watch?v=-HuJ4eLc28w
令和5年2月5日執行 愛知県知事選挙 選挙公報 愛知県選挙管理委員会
https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/449838.pdf
http://web.archive.org/web/20230910051449/https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/449838.pdf （アーカイブ）
・(3) に山下俊輔公約あり。
・中国を「チャイナ」と呼ぶ（蔑称としての「シナ」を暗示）、医療費・保育料無償化に国籍条項を付ける、日本民族差別のヘイトスピーチ条例(愛知県人権尊重の社会づくり条例内2章3節)の改廃、公務員の国籍条項復活、生活保護を日本国民に限定など、排外主義・レイシズムが政策のベースとなっている。
注4：法務省：侮辱罪の法定刑の引上げ Ｑ＆Ａ〔表現の自由との関係について〕
Q９ 政治家を公然と批判した場合なども、侮辱罪による処罰の対象となる可能性があるのですか。
https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00194.html#Q9
注5：言うまでもなく、差別者が街宣活動を行なうことなど全世界のどの場所でも許すべきではありません。
注6：本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律（ヘイトスピーチ解消法）
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=428AC0100000068
（基本理念）
第三条 国民は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消の必要性に対する理解を深めるとともに、本邦外出身者に対する不当な差別的言動のない社会の実現に寄与するよう努めなければならない。
注7：愛知県人権尊重の社会づくり条例
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/jinken/aichi-jinken.html
（県民の責務）
第３条 県民は、家庭、地域、学校、職場その他の社会のあらゆる分野において、人権尊重の社 会づくりに寄与するよう努めるとともに、県が実施する人権施策に協力するよう努めなければ ならない。
－以上―
